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「開発途上国」と「先進国」について

アジア教育グループ会長 矢野



丁寧さが育む、本当の教養と人間力


小学校受験に向けて、私立名門校の説明会や受験指導の先生方が共通して語るのは、「丁寧な子育て」の大切さです。たとえば、子どもに「だめ」と否定的な言葉を使わない、脱いだ靴をきちんと揃えて靴箱にしまう、といった日常の習慣に丁寧さが現れます。


慶應義塾幼稚舎の入学試験には、学力を測るテストも、親の面談もありません。子どもが描いた絵やアート作品、そして遊びの中での行動観察のみで合否が決まります。つまり、子どもの行動や表現を通して、親の教養や家庭環境が自然と伝わるということです。


アジアにおいて、安定した先進文明国としての地位を確立しているのは日本のみと言えるでしょう。もちろん、シンガポール、中国、韓国などにも豊かな家庭は数多く存在しますが、貧富の格差が大きい環境では、人々が常に焦りや不満を抱えており、心の余裕や「丁寧さ」が育ちにくいのが現状です。



「丁寧さ」とは、効率や損得を求めないこと。

他者や社会に対する敬意と、美意識を持って行動する姿勢です。


信仰心の有無を別としても、社会保障が整っていない国々では、不安定な治安や経済状況の中、人々は常に不満や不安にさらされています。

向上心のある人は焦り、イライラし、向上心のない人は無気力に陥る。

結果として、多くの人が「損得」や「効率」ばかりを優先し、長期的に見て本質的な成長や質の高い仕事ができなくなってしまうのです。




私たちが留学生教育で大切にしているのは、

まず彼らに「安心」を届けること。



そして、丁寧に学ぶこと、丁寧に食べること、丁寧に人と関わることの大切さを伝えていくことです。

この「丁寧さ」こそが、人としての品格と可能性を育む礎だと信じています。

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